百貨店は、数百年の歴史を持つ業態であり、特に高度経済成長期には盛隆を極め、小売業の王者と謳われました。
その百貨店が近年、多岐に渡る要因の元、苦戦を強いられています。
ここに来て、そごう・西武では親会社が代わりそうな様相を呈しています。

現在の親会社である7&Iホールディングスはどこに売却するのか、注目を集めています。
今月末に競売となるわけですが、現在の合計10店がほぼ全て一等地にある事から、買い手は三菱・三井を始めとする不動産系なのか、はた又、例によって投資ファンドが名乗りを上げるのか、興味深いところです。
私はこの手の話しを耳にしますと、まず現場で業務に当たっている従業員さんの心中を察してしまいます。
新しいオーナーになった会社が、せめてそのままの形で継続経営してくれれば良いのですが、不動産系であれば解体して複合ビルを、であったり、投資ファンドに至っては切り売りさえ想定の範囲内になってしまう訳で、数百年続いたその歴史性が一瞬で吹き飛ばされてしまう事に懸念を覚えます。
勿論、経営はビジネスであり、利潤の追求を目的としており、近年その為には何でもありな状態です。
ただ、現場で一生懸命業務に当たる従業員さんの心中やモチベーションがどうしても気になってしまうのです。
今回の競売においても、何とか現在の業態を維持してくれるオーナー会社の手に渡る事を願うばかりです。
島ア俊之