2012年02月24日

家元の矜持

  

ちょっと前になるが落語の立川流家元の立川談志が亡くなった。

2年に渡る喉頭がんとの闘病の末であった。享年75歳。

  そもそも天才に違いないが、この人の本物の芸と生き様に魅かれ
るところがあり、だいぶ前から一度高座を生で聴いてみたい(とい
うよりは生で存在するその空間を体感してみたい)と思っていた。

闘病生活は知っていたが、まさかこうなるとは予期しておらず、完
全に機会を失った。とても悔やまれる。そもそも遠い過去のある年
齢から後悔ということをしたことがない私の完全なる後悔である。
最近考えていた中では最大の啓発の機会であったのに・・・。

  
どんな位置にいる人かと言うと、解りやすい例を一つあげれば、
ビートたけし・高田文夫・上岡龍太郎・山本晋也・()赤塚不二夫
等々は家元の落語の弟子である。
芸名をビートたけしは立川錦之助、高田文夫は立川藤志楼(トウシロ
=シロウトの逆さ言葉、シャレがきいてる)という。この他各界の
著名人が家元に弟子入りしている。

爆笑問題・太田は「世界でNO.1の芸人」とまで言っている。
(逆に家元は太田が世に出る前から「他とは“間”()が違う。必ず
 天下を取る」と評していた。私は当時リアルタイムでこのことを耳
 にしていたが、何となくなるほどとは思ったが完全にはピンとは来
 なかった。しかし言われてみれば、私が仕事で取り組む営業業務の
 究極のポイントを一つだけ、と言われたら、やはり“間”だ。突き
 詰めると同じか?)


  
最近まで追悼のTV番組が放送され、関連のCD・書籍などの発売も
目白押しだが、私も過去に買った何冊かの書籍を引っ張り出して改め
て捲ってみた。
その中で最も気に入っているのは「談志百選」。
 

 30658788.jpg
   
 私は落語フリークではないので、家元の落語論的な書籍よりもこ
れが面白かった。家元が自ら選んだある百人について評したもので
ある。
百人を選んだ定義は「本物の“芸”を持った芸人」と「芸人
ではないが日頃の生き様が“芸”そのもの()という生まれ持って
の芸人」というところか。(断固として言いたいのだが、そもそも
TVで「芸人」と称しているお笑いの人達、あれは芸人ではなく「タ
レント」である。ということで私はお笑い番組は一切見ない)
家元独特の言い回しで、百人の個性が面白おかしく且つ鋭い視点で
描かれている。。
因みに1人目は「生き様そのものが落語」と謳われた古今亭志ん生、
2
人目は「根っからの浅草芸人」ビートたけし。

  
カリスマがいなくなった立川流の今後はどうなるのかがやっぱり
気になり、更に家元関連の書籍をいくつか購入し読んでみた。
結果出来栄えに非常に驚いたものがあった。
それは弟子の立川談春が執筆した「赤めだか」。

             
 32055582.jpg
  

 例によって帯に数名の著名人の賛辞が記されているが読む前は
関係なく半信半疑。読んで行くうちにこれは構成・文体・表現・
描写などどれをとってもバリバリの一級品であるということがわ
かった。とにかく読みやすい。しかしすごい才能である。本当に
驚いた。この人が高校中退で弟子入りし、前座から二つ目はたま
た真打になるまでの家元を主とした幾多の人達との絡みや場面ご
との“間・距離感”、また種々の葛藤を抱えた日々の生活ぶりが
綴られてり、笑わせるし泣かせもする。ただそれだけではなく落
語家としての習性か業(ゴウ)の本質をおさえて書いている為、重
みもある。

機会があったら皆さんもどうぞ。かなりのお薦めです。

 
「スペシャリストはゼネラリストに在らず」と言うが、しかし
家元はこの談春を始め、弟子も育てた。他に一番弟子の志の輔、
天才と呼ばれる志らくなど、今の落語界を背負っている面々には
立川門下が数多く存在している。


  
最後に在りし日の家元の映像をどうぞ。
これはまくら部分(「まくら」とは着座してから落語に入るまでの
小噺のこと)のみの映像です。
この人を解りやすいので落語ではなくあえてまくらを。

 

                    

やはりどの世界でもプロは、スペシャルは良いものだ。
何せそこには“本物”が存在するのだから。
かく在るべし。

 落語協会を飛び出し立川流を創設し、道なきところに幾多の道を
作り、現代に落語を拡め、弟子をも育てるという偉業を成し遂げた。

でもそれよりも何と言っても、
落語家としての矜持を肝に、
己の信念のもとに生き抜いた家元に・・・合掌。
                                               島ア俊之
posted by yamaboshi at 13:18| 栃木 ☀| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月11日

思い出の日

先日、結婚式があり友人一同と顔を会わせる機会がありました。
皆、休日が違ったり、子育て奮闘中だったりとナカナカ揃って顔を会わせる事が難しいので、久し振りに会う友人もいて嬉しかったです(^^)


披露宴のみだったので夕方からのスタート。

挙式は新婚旅行も兼ねてバリ島で親族のみで挙げて来たそうです。
しかも弟さんがなんとプロのカメラマン!!
挙式やスナップ写真の表情も自然体ですごく輝いていました(^_^*)

お色直しで席を外した新婦さん
「なかなか戻って来ないね」と話をしていたら司会者の言葉で会場のカーテンがスルスルと開き、なんとその先に新婦を含め5人の人達が衣装を着てベリーダンスを踊りだしたじゃないですか!!


ベリー1.JPG


楽しそうに近くで踊りを真似している小さい子ども達もいました。
私を含め友人も近づき新婦のベストショットを狙いカメラのシャッターを切りながら見ていました。

新婦さんが戻って来てからは皆で写真を撮るのに順番待ち(^^;)
 

新婦さんと.JPG

 
あっという間に時間が過ぎ閉宴の時間が来てしまいましたが幸せいっぱいな新郎新婦や久しぶりに友人達と顔を会わせ、しかもベリーダンスが見られ充実した時間を過ごせました。

幸せな気持ちを分けてもらい、思い出になる一日になりました。

                            圷
posted by yamaboshi at 19:23| 🌁| Comment(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする